ブラジルでの出産と育児体験談!日本と違うところまとめ



ブラジルで妊娠・出産・育児をしていて、やっぱり初めてなので、悩むことや疑問に思うことって多いんですね。

で、本当に感じるのが、日本とブラジルの『妊娠・出産・子育て事情の違い』

自分の親におすすめされたことが、小児科医に『辞めろ』と言われていることだったりと、戸惑うことがしょっちゅうです。涙

そこで今回は、日本とブラジルの違いで、特にびっくりしたことついてまとめてみようと思います。

注意なお、私の実際の経験をもとに書いているので、これが全てではないことはご了承ください。あくまでも私が実際に体験した、または感じたことです。

妊娠、出産

妊婦は『妊婦様』であるべき

これが最もビックリした点。

初めての妊娠だったので、初産が海外ということは不安でした。

なのでネットで色々と妊娠について調べていると、出て来る出て来る『妊娠様の酷評』(笑)

( ;∀;)コワイヨー・・・

 

妊娠したことがある方なら分かると思いますが、日本で妊婦生活をすると、妊婦であることが申し訳なくなってしまう事ってありますよね。

 

・・・が。

 

ブラジルではこれが全くありませんでした。

ビックリするほど皆無。

 

私が妊娠する前に通っていた語学学校の先生が、以前、『ブラジルでは妊婦は神様の次に偉い』と言っていたことがあって・・・

 

個人的に『そりゃないやろ(笑)』と斜に構えていたのですが、実際に妊婦になってみて、その考え方がリアルに国民に浸透していることに気がつきました。

 

ブラジルには、いわゆる『妊婦様』がうじゃうじゃしてます。

でも、ブラジル人は『妊婦はそうであるべき』という考え方のようです。

どこに行っても、あまりにも特別扱いされるので、本当、毎日恐縮してましたね。(笑)



医者の『診断書』の強さがハンパない

医師の権限ってこんなにすごいの?っていうのが、ブラジルに来ると分かります。(笑)

私が通っていた産婦人科の先生はガンガンこの『ディスクリプション』を出してくれたんですけど、要は『会社を休みにしなさいよ』という魔法の紙です(笑)

 

医師から出されたこの魔法の紙を提出すると、会社は有給扱いでその人に休みを与える必要があります。

私の夫は、『ポルトガル語が話せない外国人妻の夫』という理由だけで、この年、合計で2ヶ月以上休みを貰ってました。爆

恐ろしい国ですよ、ここは(笑)

 

 

会社に妊娠を報告した瞬間から、解雇・異動・降格などは法律で禁止

これも、マタハラがはびこる日本では考えられないことですよね。

いや、厳密には日本も『妊娠』が理由の解雇とか異動とか、駄目らしいんですが・・・普通にありますよね。

航空会社も結構そういうところある気が・・・・・・・・・・・・。爆

とにかく、これ、ブラジルでは『絶対禁止』だそうです。

シリアル犯罪者にもきちんと人権保障されてる国ですから(爆)、万が一こんなこと起きたら暴動になりますし、その会社は晒されます。

ここも現状の日本とはスゴく違う点だと・・・。

ただ、最近日本も少しずつ変化してますよね^^



妊娠中の医療費は全額無料

これは健康保険に加入していたらって条件なのですが、普通に働いていたらたいていの場合は加入しています。

仮に万が一加入していなくても、綺麗な病院で最先端の技術を使うことにこだわりがなければ、パブリックホスピタルで無料で受診できます。

本当にお金が無い方でも、アメリカのように病院の前で死ぬ、ってことは無いということですね。

 

 

無痛分娩推奨

これもビックリした点ですね。。。

ブラジルは帝王切開大国なので、普通分娩が選べなかったらどうしようと怖がっていたのですが、それは普通に選択できました。

 

( ;∀;)ヨカッター!!


・・・が、その場合は『無痛分娩』を勧められることが多い。

 

理由は、『痛みのせいで医師の指示に従えなくなると、母子ともに危険だから』だそう。

 

ブラジル人の医師は、

『痛みを伴う普通分娩にこだわりすぎるのは、母親のエゴ

という共通の認識を持っているそうです。

 

優先されるのは『母子の命』であり(世界共通だと思うんですけど・・・)、必要のない痛みを感じることで、医師の言うことが聞けず、生まれてくる子供がスムーズに子宮から出てこれなくなるのは、赤ちゃんの人権侵害!とまで考えている医師も存在します。

 

ちなみに私は、医師だけではなく、今年78歳になる義母からも『無痛分娩』を当たり前のように勧められました。

無痛分娩のハードルは、この国では相当低いです。

この点は日本よりも2,30年、先をいってる気がしますねー・・・



医者の言うことが聞けなくなった時点で、問答無用の帝王切開

これ恐ろしいですよ(笑)

とにかく『スムーズ』に出産させたいのか、私のように自然分娩を選択した妊婦には、『医師の言うことが聞けなくなった時点で帝王切開』という条件が与えられていました。
※私が行った産院だけ?(笑)

痛みに耐えながら、絶対に医師の言うことを守っていたのを今でも思い出します(笑)

それはもう、NINJAと言わしめるほど。爆

 

 

基本は個室で入院

日本だとお金がかかるのが『個室入院』。ブラジルは基本的に『全員個室』です。

これも全部無料だったので、本当に助かりました!

 



出産祝いで会社からボーナスが出ることが多い

お金とブタ

日本には『出産一時金』として42万円が国から支給されますよね。

ブラジルでは、国からではなく、会社から支給されることが多いようです。

うちの夫の会社の場合は、お給料の1ヶ月分がボーナスとして支給されました。

妊娠〜出産までお金がかかってないので、大幅なプラス!
助かります!

入院中は、メイクやマニキュア、ペディキュアを無料でしてくれる産院が多い

これはブラジルの文化なのかな?

産院では、必ずと言っていいほど、無料のメイクとマニキュアのサービスがあります。

私も産後ボロボロでしたが、やっぱり産まれた赤ちゃんと私の写真を撮りたい!という夫の希望で、亡霊のようになっていた顔面を治していただきましたよ(笑)



出産後に見舞いに来る家族の人数が異常

家族写真

これ。本当に。やっばいです。(笑)

私の隣の部屋に入院していた方は、恐らく50人以上の訪問客がいました。爆

 

いやぁー・・・

日本人の感覚としては、産後直後くらいゆっくりさせてよ・・・というのがママの本音ですよね(笑)

特に義両親なんて、気を遣わないわけないんだから、来ないでくれ。みたいな。(笑)

 

この感覚、ブラジルにはありません。(笑)

そもそもブラジルでは、どちらかというと『嫁>姑』の構図が一般的なので、姑に気をつかう嫁は珍しい類いだそう。

いや、それでも50人は無理や・・・・・・



育児

母親の育児休暇は、法律で最低8ヶ月以上が義務付けられている

これは法律で決められている最低の期間で、会社によってもっと長く取れることは多いです。

父親の育児休暇も法律で義務付けられている(最低8日間)

母親の育児休暇は8ヶ月以上、と決められていますが、父親の育休も、誕生から8日間は保証されているみたいです。

これも会社によりけりだそう。

夫は2ヶ月間もらっていました。



母乳神話は存在する

これは日本とは同じですね。

出来れば『母乳育児』してくださいと言われます。

わたしの場合は、幸い乳腺トラブルも無く、母乳で困ったことはなかったのですが、なかなか母乳が出ないと日本同様、多少プレッシャーに感じる雰囲気はありましたね・・・

とりあえず着せる

お腹よりも手足を冷やさないようにするのが原則で(笑)、とにかく着せてます。

いや、暑いだろ(笑)。ていうくらい着せます。

自分は半袖着てるくせに、赤ちゃんにはトレーナーって・・・

赤ちゃんは大人より一枚薄着が基本なのでは!?



電子レンジは悪。

ヘビーユーザーとしてはすごく困りました。(笑)

なぜかブラジルでは、未だに『電子レンジは癌の元』みたいな神話が信じられている部分があって・・・・・・

もちろん、若い世代はそんなことないのですが、小児科の先生は『電子レンジ非推奨』のことが多いですね・・・
※小児科の先生にももちろんよるでしょうが…

最初はストレスでしたが、鍋で蒸すことに慣れると、案外同時に他の料理の下ごしらえが出来るようになって、今ではすっかり電子レンジを使わなくても生活出来るようになりました!(笑)

離乳食は、週に30種類の食材を与えていれば、メニューは毎日同じでもOK

これも小児科の先生によりますが、ブラジルでは離乳食にこだわりを持つ人は少ないです。

味なんてわからないんだからまずは栄養!的な(笑)

『毎日同じような猫まんまで可哀そう…』とか言う人もいません(笑)

 

ただ、一週間に30種類の食材(蛋白源は別枠)を与えろ、と言われ、最初は・・・

 

30種類!?

 

_:(‘Θ’ 」 ∠):_プルプルプル

 

と思いました(笑)

しかし、やり方を教えてもらってからは、実はめっちゃラクな方法なのでは?と思うようになりましたね。

 

その方法を簡単に説明すると、一度にスーパーで30種類の食材を購入し、野菜てんこ盛りスープを三種類作ります。それを小分けに冷凍して、使うぶんだけ鍋で解凍しながらタンパク質源を都度追加。

当分はスープのみで、離乳食中期に入ったら、そこからアレンジしてパスタにしたり、グラタンにしたり、リゾットにしたり、炊き込みご飯にしたりと、案外簡単に離乳食の準備が出来るようになりました。

まぁ、日本の離乳食のように手は掛かってませんが、血液検査では100満点だったので、栄養はとれてるのかと思います(笑)

そんなもんでいいのか〜、と学びましたね(笑)



子供手当は国からは一切出ない。

世界で一番税金が高いのに(笑)

社会保障がしっかりしているスイスや北欧よりも税金が高いんです、ブラジルって(笑)

なのにこのザマ。ある意味すごい。

ただ、会社から出るところは多く、我が家も40,000円くらいかな?が、毎月子ども手当としてお給料とは別に支給されています。

物価が高い!!

意外かもしれませんが、ブラジルは物価が高いです。

日本と同じ生活をブラジルでしようとすると、日本の二倍お金がかかります。爆

赤ちゃん用品は何もかもが日本より高いと感じるのですが、特に高いと感じるのがオムツ!おしりふき!

消耗品なので、辛いです・・・(笑)

日本のネットショップだと半額以下で手に入るものなのに・・・



妊娠中よりも、授乳中の方が食事制限が厳しい

これ、結構厳しくて・・・

妊娠中は、コーヒーは飲みすぎなければオッケー、お酒はワイン一杯ならオーケーと。

緩〜い食事制限でした。(笑)

 

が、授乳中・・・・・・

コーヒー、アルコールは絶対NG。
チョコレートもカカオ70%以下のものは禁止、などなどなどなど。

 

めちゃくちゃ制限が厳しかったです。
※小児科医の先生にもよると思いますが。

 

私はポテチとブラウニーが唐突に食べたくなる人間なのですが、この期間はNGと言われていたので、禁断症状出しながらも耐えました。(笑)

あぁ。辛かった・・・笑



ブラジルは子育てがめちゃくちゃしやすい国!

ちょくちょく大変なことはありますが、基本的にブラジルは、出産、育児はとてもしやすい環境です。

少なくとも私は、ブラジルの子育て事情で、違いに戸惑うことは多いものの、『生きづらい』とか『困った』という経験は今のところありません。

 

  • 外での授乳、赤ちゃん連れの外食にクレームを言う人は皆無(まじでゼロ)
  • 電車やバスでは、秒で200%席を譲ってもらえる(妊婦、お年寄りも)
  • スーパー、役所、病院、空港、予防接種など、赤ちゃん連れは100%どこでも最優先される

 

これだけでも、日本より圧倒的に子連れにとってありがたいですよね。

 

何よりも、

社会全体から赤ちゃんとママに向けられる目線が『優しさ』のみ。

実際に体験しましたが、これが本当に大きい。

 

妊娠、出産、育児の環境は、ブラジルが日本よりも圧倒的に進んでいる(というか社会が寛容)、な点だと思います。

 

うーん・・・

日本ももう少し妊婦や子連れに優しくなると良いんだけどな~・・・

 

もちろん一部の方だけがキツく当たるんでしょうけど、でもやっぱり割合として、日本は妊婦や子供連れへの風当たりは強いと思います・・・悲

海を渡ると、本当に妊婦や子連れに意地悪な人、少ないんですよね・・・実際。

 

制度がどんどん充実してきているても、人間の心は「制度」では変わりませんしね。

国内で妊娠するのが怖いと思う日本人女性がいる時点で、かなりマズい事態ですし、ここは日本の課題なのかな~と感じました。