今日は、海外に住んでいると「現地語は自然と話せるようになるのか否か」について記事にしたいと思います。
・・・これ結構聞きません?
英語は英語圏で学ばないと話せるようにならない、とか。
語学が堪能なのは海外在住だから。
なんとかかんとか・・・
私自身もブラジル在住なので、初めてお話した人なんかに
ポルトガル語出来るんだ~スゲ~~~~!
みたいな反応をされることがあるのですが・・・
今や「海外在住者」って珍しくないですし、そもそも「海外在住者の言語力」って、平均的にそう高くないと思うんです。爆(勝手なイメージです、すみません)
なんなら常にネット上で日本語書いたり読んだりしてると思いますよ(私みたいに)爆
その土地に住めば自然に話せるようになるんでしょ?
とは本当によく言われるんですけどね。
暮らしているだけじゃ無理やで。
・・・ということで!
今日は「きちんと努力してある程度の語学力を手に入れた過去」と「そうではない現在」という私の実体験を例にあげ、どうして海外に住む程度では語学力が上がらないのかを説明したいと思います。
努力して手に入れた英語力
私は学生時代、イギリスへの6ヵ月の語学留学の経験があります。
このために学生時代はアルバイトしかしませんでしたし、親にも援助してもらい、たくさんの人に支えられながら応援されながら、送り出されました。
自分への投資に「大金」がかかっていたし、その後に就活も待ち構えていたことから、この半年は本気で英語にコミットしました。
当時の英語力を言うと・・・
I am a student.
・・・という文章自体はフワッとは知っているものの、この文章がなぜこのような構成なのか、という「文法」は一切知らない状態。
主語とは?
動詞とは??
イリウダ
状態でした。
でも、専門学校の講師の「あなたの実力では就活は絶望的です」という言葉を心から信じていたので、このままではまずいと思い、毎日平均14時間くらい「英語だけを」勉強しました。
机上だけで勉強していても意味無いと思い、全く話せない状態なのに現地で突然ウェイトレスとして働き始めたりもしました。(当時の私を雇ってくれた店主は本当に天使だと思う)
そして何より当時の私には、本気で英語をコミットできる環境が揃っていた。
まだ10代で独身だったし、子供もいなけりゃ家事はホストマザーがやってくれてましたので。
やることは「英語」しかありませんでした。
そして勉強した英語を、実際に現地人を使って(スゴイ言い方ですが)試せる環境でもあった。
つまり、住んでるだけで勉強の状態です。
だから当然、結果は付いてきました。
半年という比較的短い期間だったけど、当時のTOEICの点数はこの期間だけで580点以上上がり、就活時にはほぼ満点に近いスコアを出せたし、国際結婚して日常的に英語でコミュニケーション取る程度の英語力にはなりました。
このスキルは正真正銘、半年間で培ったものです。
・・・に対してポルトガル語。
私はね、既に5年住んでるんですよ。ブラジルに。
なのにね、知識がゴミレベルなんです。
そりゃ英語よりも難しいとはいえ、それにしたって5年いる人間の知識ではない。
本当、ゴミ。
確かにスーパーで買い物は出来るし、タクシーくらい呼べますよ。
でもこの力って、やろうと思えば1日で出来る程度。
何度も説明されたであろうフレーズを覚えてねぇんだわ。まじで。
・・・あと、怖いくらい人の「名前」が覚えられない。
一番困惑しているのは、「Carolina(カロリーナ)」という名前は通常「Caca(カカ)」って呼ばれる、みたいな「あだ名」ね。
イリウダ
って話じゃないですか。
イリウダ
盛大なクエスチョンマークなわけですよ。
\ 無理ゲー /
私の「英語」に対する姿勢と「ポルトガル語」に対する姿勢は、全くもって別でした。
イギリスから帰ってきた時の私は、傍から見たら留学に行ったから、現地に住んでるだけで自然と英語が話せるようになった女なのです。
でも今の私は、現地に暮らしてるのになぜか一向に現地語を覚えない女なんですよね。
私は、この2ケースの違いとその原因を明確に言語化できます。
勉強したか、してないか。
これだけです。
結局「努力」なんですよ。
なんてフェアな世の中なんだろう。
現地に住んでいたところで、頑張らなきゃ結果など出ません。
住んでるだけでは覚えません。
大人の脳は、そう簡単に現地人の言葉を吸収しません。
海外在住の目的を明確化するのが一番大事
では、海外では「言語」が出来なきゃ生きていけないのか?
今度はこの角度から物事を見てみましょう。
私個人としては、「海外在住で生き抜くスキル」には「語学力」は必ずしも重要だとは思っていないんですよね。
海外在住で一番必要なスキルは「語学力」ではなく。。。
度胸
だと思ってる。
もうこの一言に尽きるんですよね。
度胸があればどんな国でも生きていきます。(多分)
友達も出来る。(多分)
だって声を上げれば、現地人は助けてくれますもん。
現地で友達を作るのは「言語」ではなくて「あなたという人柄」です。
相手は「人間」なのです。
そして言語は、コミュニケーションの「ツール」でしかない。
だから、海外在住になった時に「語学力だけに重きを置く」のは違うと思うんです。
期間が限定されていたり、最終的に日本に帰国することが決まってるんだったら、最初から勉強なんてしなくていいよね、とさえ思いますよ。
・・・ただ、それもその国に住む目的と期間にもよるんですよね。
特に永住組で、現地で子育てをしてるんなら、やっぱ最終的にはやるべきだと思います。
だって語学はできた方が確かに「便利」だから。
1~3歳までは私のようになんとなくで生きていけますけど、現地の教育を子供が受ける、ここで成人させるって思ってるんなら、親がいつまで経っても成長しないのはダメですね。
さすがにやれよ、と。
あ、これは自戒のために書いています。
サッカーはもはや言語
ちなみに、ブラジルで最も役に立つ知識は、以下の通りです。
ポルトガル語>サッカー>ラテン系言語>>>越えられない壁>>>>>英語
冗談抜きでサッカー知っている人がブラジル人とコミュニケーションとるのは簡単です。
「サッカー」という共通の知識があれば、それがたとえ日本語とポルトガル語という異なる言語であってもなぜか会話が成立します。
「いや、さすがに冗談だろ?」って言われるんですけど、ブラジルではサッカーは言語よりも言語ですよ。
まじで。
ブラジル人の友達を日本で作るのはブラジルで頑張るより簡単な理由。
まとめ
巷で言われている「海外在住=語学堪能」という方程式は、そもそも最初から成り立っていません。
海外に住んでいるのに語学が一向に成長しないのは、シンプルに、努力していないからです(または努力が足りていないだけ)
だからと言って、海外で逞しく生き抜いていくことに「語学は重要なのか?」と聞かれれば、そうではありません。
恥の文化を飛び越えて、「分かりませーん」「助けてくれ」と言える人の方が「海外での生活力」は強い。
はちゃめちゃな文法で話すのが怖い、完璧なフレーズで話せないのが許せない。
など。
プライドが異常~~~~~~~~~~~~~~~~~に高い日本人ってすんごい多いのですが、それマジで無駄です。爆
あと、現地に何年いるのにこの程度の言語力云々…とかいう価値観を持って、在住歴と言語力を比較しマウント取ったり、引け目を感じて引きこもっちゃうのも、超超超日本人特有の現象。
日本在住30年とかの白人にも、いまだに一言も日本語話せない人なんてうじゃうじゃいる。
でも別にその人達引きこもってないですよ。
別に大して気にしてもない。
万国共通で、ガンガン恥をさらしてみんなに助けてもらってる人は、結局どこでも友達はどんどん増えていきます。
自分が何のために海外にいるのか、何年いるのか?どんな人と繋がりたいのか?そこでのゴールは?そのために語学があった方が便利なのであれば、そりゃやった方が良いよね。
こういう形で考えていくと、割とラクに海外で生活できるのではないかなと。
・・・ちなみに私は、ブラジル在住5年目にして、ようやくポルトガル語やっぱり頑張ろうかなって気になりました。(遅)
それまでテキトーに生きてこれたし、別に本気で勉強しなくても困ることがなかったので、全然真面目になりませんでしたが、「娘の成長」を考えた時に、冷静に「このままではまずい」と思ったんですよね。
もしあなたが海外在住歴が長くて語学力に対してコンプレックスを抱いているのであれば、遅すぎることなんてありませんので、今からでも勉強するのがおすすめですよ!
私もママ友のグループチャットについていけるようになるレべルまでは行きたいな~と。
一緒に頑張りましょう!