このブログを立ち上げてから、何度かブラジルに遊びに来られた方からのメッセージを頂いているのですが、今回初めて本気で発信しなくてはいけないぞ、という出来事がありました。
とてもショッキングで悲しい事なのですが、残念なことにブラジルに旅行に来ていた日本人女性が、宿泊施設で性的暴行の被害に遭ってしまったというご相談を受けたのです。
たまたますぐにメールを確認できたので、その場で彼女には避妊薬の手に入れ方をお伝えすることが出来たのですが、万が一、同じようなケースが発生した時のためにと、当記事はご本人の希望により作成しています。
今回は、ブラジルで「緊急避妊薬」を手に入れるまでの流れです。
日本よりも圧倒的に簡単に手に入りますので、万が一のためにも、ブラジルにお越しの方は男女関わらず、ぜひ事前に読んでおいていただきたいなと。
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ブラジルは緊急避妊薬(アフターピル)が簡単に手に入る
日本と違い、ブラジルでは、いつ、なんどき、どんな事情があったとしても。
女性は「妊娠の恐怖」から解放される権利が認められています。
日本と違い、病院で診断を受ける必要もありません。
日本と違い、保険適応外だからと高額な医療費を支払う必要もありません。
日本と違い、あの小さなピルに、1万5000円~2万5000円ほどの金額を払わされることもありません。
近場の薬局で、数百円で、必ず手に入ります。
もし被害に遭ってしまったら、とても辛いでしょうし動揺しているかとは思いますが、少なくとも、ブラジルでは避妊薬は簡単に手に入る、ということだけは覚えておいてください。
ブラジルの薬局についたらやること
ブラジルの薬局には、支払いをするカウンターと、薬剤師さん達が常にいるカウンター、2つあることがほとんどです。
アフターピルが置いてあるのは、レジではない方のカウンター。
なので店に入ったらまず、レジではない奥の方のカウンターに行きましょう。
必ず誰かひとりはスタッフが立っていると思うので(というか客が来たら裏から出てくる)、その人にピルが欲しいと言います。
「緊急避妊薬」はポルトガル語で「Pilula do dia seguinte(ピルラ ド ジア セギンチ)」です。
有名なブランドはいくつかありますが、「Pozato(ポザト)」が一番メジャーで、最悪「Pozato por favor(ポザト ポルファヴォー)」でも伝わります。
言語に不安があれば「Pilula do dia Seguinte(Pozato)por favor.」とメモに書き、カウンターのスタッフに渡してください。
必ず理解してもらえますので。
万が一このブランドが在庫切れだった場合でも「緊急避妊薬」に関しては、ほぼ間違いなく代替品があります。
ピルを買いに来た女性は、文字通り「緊急事態」だと薬剤師もきちんと理解していますので、「これならあるよ」みたいなニュアンスで別の物を出されたらそれを購入してOK。
また、「Genérico(ジェネリコ)」という単語が出てきたら、それは日本でいう処の「ジェネリック」です。
同じ効力・安全であり、より安価に手に入りますよという提案なので、それも受けて大丈夫。
以下、さっき私の家の近くの薬局で購入してきたのですが、以下もジェネリックのアフターピル。
12レアル、日本円で約300円でした。
※日本で同じものを手に入れようとすると1.5~2.5万円を請求されます(診察料は別途必要)。
緊急避妊薬には色んな種類がある上に、言語の通じない異国だと不安も倍増だとは思いますが、ここで大事なのは「緊急避妊薬が欲しい」というフレーズだけです。
あとはスタッフがたいていの場合フォローしてくれるので、これだけ伝えることに集中しましょう。
前述しましたが、メモを渡してしまうのが一番確実ですね。
また、女性だろうが男性だろうが、薬局で薬を管理している人は薬の知識がある人たちです。
ダラダラと事情を聴いてくる人はいませんが、アフターピルが欲しいと言ってきた客には、かなりの頻度でその場で水を勧めてくれます。
心苦しいかもしれませんが、水をくれたらその場で飲んでしまいましょう。
アフターピルの服用は、時間との勝負ですからね。
海外でアフターピルを手に入れておこう
ここからは日本在住の全ての女性に向けてのメッセージですが…
もし海外に行く機会があれば、ぜひその国の薬局で「アフターピル」を購入し、常に持ち歩くことをお勧めします。
そもそも本来、避妊薬へのアクセスは「女性のとして生きるために必要な、与えられて当然の権利」なのですが。
日本では、他国では当前の「女性の権利」が認められていません。
日本にいる女性が(避妊に失敗したときなどを含め)望まない妊娠を避ける場合。
- わざわざ病院に行き
※時間との勝負ですので仕事を休まなくてはならない場合も多々 - 保険適応外で高額な医療費を支払い
- 1.5~2.5万円ほどのピル代を支払わなければ
妊娠の恐怖から解放されません。
他先進国では一切必要のない「時間・高いお金」という対価・リソースを支払わなければ、予期せぬ妊娠の恐怖から解放されないのです。
外国人女性がもし日本で性的被害に遭ってしまったら、彼女達はどうすればいいのだろうと、いつも考えています。
私は前職で海外に行くことが多かったため、海外の薬局でアフターピルを購入し、いつも持ち歩いていました。
また、あらかじめ多く買っておいて日本に一時帰省するたびに妹や友人に配っています。
幸い今まで必要になったケースはありませんが、アフターピルを手元に持っているのと持っていないのでは安心感が全然違います。
本当に日本在住の女性は、お守りとして持っておくことを強くお勧めしますよ。
…それにしても、日本のアフターピル問題って、どの角度から言っても先進国ではないんですよね。
普通に「女性の人権侵害」なんですけど、これなんとかなりませんかね。爆
いずれにしろ、望まぬ妊娠から現実的に女性を救ってくれるピルは、他国では普通に手に入りますので、日本に期待するのではなく、他国で購入して手元に置いておきましょう。
日本であなたの体を守れるのは、現状、あなたしかいないのですから。
まとめ
本来あってはならないことですし、この記事が役に立つ場面が人生の中で一度も無いことがベストではあります。
しかしながら。
旅先では、いつ、どこで、何が起こるのか分からないというのも事実。
入念に計画を立てて、気を付けて行動していたとしても、不可抗力で事件に巻き込まれてしまうこともあるかもしれません。
ましてやブラジルという英語が話せても意思疎通が出来るかどうか微妙な国で、最悪な事態に巻き込まれてしまったら猶更です。
それでも、性的被害が原因で生まれる「さらなる地獄」は、この記事の通りに行動すれば解決します。
決してあっては欲しくありませんが、もし、万が一、ブラジルで被害に遭ってしまったら、以上の手順で避妊薬を手に入れてください。
では!
今日はここまでです。